台湾で話される主要な言語をご紹介!公用語の中国語だけでなく、台湾語や客家語、原住民の言語、日本統治時代についても解説していきます。
台湾は多言語国家!
台湾は、多文化が共存する国であり、多くの言語が日常生活で使われています。
この記事では、台湾で話される主な言語とその特徴、観光や移住の際に知っておくと役立つポイントをご紹介します。
- 中国語(台湾華語、国語)
- 台湾語(閩南語、ホーロー語)
- 客家語
- 台湾原住民語(台湾諸語、フォルモサ諸語)
- 【番外編】日本語
中国語(台湾華語、国語)
中国大陸で使われる言語とは少し異なる「台湾華語」
台湾人口の約80%以上がこの言語を使用しています。
台湾ではこの中国語を公用語としています。
中国語の標準語は中国大陸で使われる北京語をベースとしています。
ですが、その標準語とは少し異なるのです。
例えば、繁体字を用い、発音が異なる台湾独特の要素(ボポモフォ)を含んでいるところです。
語彙も基本は似ていますが、似ているようで異なっていたりします。
台湾語(閩南語、ホーロー語)
台湾で古くから使われる「台湾語」
台湾語は「閩南(びんなん)語」とも呼ばれます。
由来は、中国福建省の南部を指す「閩南」という地名からです。17世紀から19世紀の明鄭王国時代に、数多くの閩南人が移住してきたことが始まりとされています。
現在ではお年寄りを中心に使われており、約81.9%が台湾語を話せるそうです。
南部の方が北部より台湾語を話す人が多く、台北や若者の中には全く話せない方もいます。
そのため、実質的にはメインでこの言語を使用している人は30%ほどと言えるでしょう。
客家語
今では数少ない、客家語
台湾の客家語(カージャユー)は、中国大陸の東南側(広東省・福建省・江西省)を中心に話されている言語です。台湾では桃園や苗栗の辺りに影響が強く残っています。
客家語は、中国東南部内陸や台湾、東南アジアの一部などで使用されている漢諸語(中国語方言)の1つで、話者数は約4200万人です。
台湾には18世紀を中心とした時期に客家人が移住し、近年の人口調査では450万人余りが台湾客家の人口とされています。
客家語は、日本植民地時代や国民党時代の抑圧的な言語政策、近年の人口の流動化やIT化などが背景に、衰退が指摘されています。
そのため、今では6.6%ほどしかこの言語を使う人はいないそうです。
台湾原住民語(台湾諸語、フォルモサ諸語)
台湾原住民による言語
「台湾諸語」や、「フォルモサ諸語」「台湾原住民語」とも言われます。
今では1.4%ほどしか使用されていないそうです。
台湾には16の原住民族が認定されており、それぞれの部族ごとに固有の言語があります。
これらの言語は、植民地支配や都市化の影響で多くの言語が消滅の危機に瀕しているのです。
そのため、文化保護の観点から政府が支援を行っています。
台湾には約6,000年前から人が住み始めたとされ、現在の原住民族の祖先がこの地で独自の文化を築いてきました。
彼らの言語はオーストロネシア語族に属し、ポリネシアやフィリピンの言語と共通点があります。
例えば、タロコ族の言葉には自然や動植物に関する豊かな語彙があり、彼らの生活や信仰が反映されています。
【番外編】日本語
日本統治時代に普及された日本語
日清戦争後、日本が台湾を統治していた時代がありました。
この時代には、日本語が公用語として広く普及しました。
教育や行政では日本語が使われ、台湾の人々の多くが日本語を話すようになりました。
現在でも、台湾の高齢者は日本語を話せる人が多く、日本文化への親しみも残っています。
日本語が少しでも会話できると答えた台湾人は41.5%だったそうです。
その中でも台湾に浸透した言葉もいくつかあります。
例えば、「うんちゃん」「おでん」「トマト」「頭コンクリ」など、
日本統治時代の文化背景が垣間見れて、興味深いですよね。